アニメ業界からみる資本主義(制作中)
そもそも資本主義が無理(アニメ業界の改善は不可能)、という結論に達しましたが、前に書くと宣言した気がするので適当に不定期で書いて行きます。
目次(仮)
- アニメーターの低賃金問題とカースト制度
- アニメ業界と介護業界、AV業界の類似点
- やりがい搾取と低賃金カルテル
- アニメーターはアーティストではなく『職人』
- 育てて捨てる無駄な育成システム
- 増える作品数、潰れては新しくできる制作会社、減り続けるベテランアニメーター
- 製作委員会方式(株主資本主義)
- 先行されたグローバリズム(海外外注)
- 拘束料で囲う方法がいけない理由
ある程度アニメ業界について知っている人に対して書いているので、わからないところは自分で調べてください。
アニメーターの低賃金問題とカースト制度
アニメ業界の低賃金問題については色々言われていますが、余り表に出てこないこともあり、業界人で無ければ実態は見えづらいかと思われます。
役職 | 単価 | 注釈 | 目安月収 |
---|---|---|---|
作監 | 30万(200~300カット?) | 原画、拘束料、デザイン別 | 16~30万 |
原画 | 3500~4500円 | 拘束料別、単価のみ | 8~18万 |
動画検査 | 6万ぐらい? | 動画と修正分は別途 | 12~20万 |
動画 | 200~300円 | 6万ぐらい補助有り? | 6~12万 |
※通常のTVアニメ換算でやってます。
動画
下請けで極端に抜かれない限り、基本200円で考えて良いと思います。(10年以上上がってません)
今の描き込みだと出来る人で300枚ぐらいです。つまり200×300=6万円(平均値)。
ちゃんとしている会社ならこれにプラスで6~10万ぐらい研修費っぽい感じで1年ぐらいつくと思われます。
基本的に(一部拘束されているベテラン以外)動画マンだけで生活するのは不可能です。
動画検査
動画マンと原画マンの中間にあたる。
普段は動画をやって動画が上がってきたら一気にチェックして修正する。
現在はスケジュールのなさから動仕(動画、仕上げをすべて海外)率が上がっているので、おそらく半分見れれば良い方。
年々減らされているっぽいが、ベテランなんかは囲われていたり、上手くいけば原画マンより稼げる。(20万~)
原画
1カット基本4000円(±500円)ぐらいです。
※劇場版でも5000~20000円(重いカット)ぐらい?
レイアウト原画(2300円)+第二原画(2000円)といった感じ。
最低12万はないと生活できない(アニメーター続けられない)と思われるので、
30~60カット=12万~24万
今の描き込みで一定のクオリティを維持するには15万超えるのは相当キツい。
(描きとばし、上手い上に手が早いを除く)
作監
1話数30万ぐらい。今はスケジュールのなさから複数作監にされて1カット500~1000円でやらされているらしい。
現在低賃金過ぎてまともな原画マンが激減しているので、ただの直し屋扱いにされている現場も。
原画の方がマシとか言われ始めているっぽい。
キャラデ総作監
別枠なので割愛。毎年複数本担当するクラスは普通に家が建つと思われ。
今の貧困日本で金額だけ見るとそこまで悪く見えないかもしれませんが、保険料別途で源泉徴収も抜かれ、無論8時間労働ではありません。
アニメ業界と介護業界、AV業界の類似点
まずは以下の動画をご覧ください。
アニメ業界に関わる人間は理解できるのではないでしょうか。
そう、介護業界においては『介護職』、AV業界においては『AV女優』、アニメ業界においては『アニメーター』が必須職です。
これらで最低限実際に動く人間抜きにはそれらの職は成り立ちません。
つまり、それ以外の職は寄生して搾取している、と言えます。
制作、演出、仕上げ、撮影に関わる方々は腹が立つと思いますが、よく考えてみてください。
介護する人間、AV女優、アニメーター抜きにその業界が成り立ちますか?
介護職、AV女優、アニメーターは加工される商品であり、人間ではありません。
元となる豚肉がないのに食肉加工業、レストランが成り立たないのと一緒です。